2012年06月30日

あなた、どっかで会った事あるね。

1年に1回ぐらい絵画を移動しなければならないことがあり、
ベルリン市内の普通の運送屋さんに頼む。

そこはタクシーのようにその日に注文することができる。
タクシーのようにすぐにいけます。
という風にはならないけれど、
2時間ぐらい前に予約すれば時間指定できてもらえ、
A地点からB地点にと大きなトランスポーターで輸送してもらえる。
その際には、タクシーのようにキロメーター計算でやってくれるので、
市内の移動などの気軽な運送が頼みやすい。

この前もタクシーを頼む時のように、
運送会社のお客様センターのようなところに電話して、
時間指定できてもらうことに。

時間通りにきた運搬の運転手さんをみて。
おやおや。

彼も私をみて、
「あのさー。去年の今頃、同じように絵の運搬を頼んだでしょ。」

「あ”ー。そうそう。あの時の運転手さん。
そういえばこの前もここら辺りから運搬を頼んだよね」

みょう〜に。絵画の運搬にこなれているかんじで、あれと思った。

普通、絵画や美術品を運ぶのに一般に運搬業者(引越とか、単なる大きな家具とかを市内で運ぶ運送屋さん)に頼むときは、内容をきかれて「絵」といっただけで引かれてしまう。もし何かあった場合に保険の手続き等が大変だからだ。でもこの会社(といっても個人営業者との仲介業者)は、単に受けて、適度な方を探してくれるので助かっていた。

おそらく、私が「絵」といったからその筋の専門の人を紹介してくれたのだと思う。

けれども、同じ人にあたるなんてなんとも奇遇だ。
しかも本当に1年前に、ただ荷台に絵をのせるときに、ちょっとおしゃべりしただけだ。
その時、絵をどういうふうに荷台にひもをつかって結びつけるかとてもこなれているとは思ったのだけれど。。まさか今回も、同じようにお世話になるとは。。荷台にとりつけるやり方は絵画の場合、十分にパッキングしてあるけれど、やはり表面や角が繊細なので、車中、動かないようにしっかりとしかし、絵を傷つけないように固定する。

彼に絵を渡したら、わかっているからだまってみていろ。という感じ。

「あー、そういえば、この前はウド・リンデンベルクの話をしてましたよ〜。」
とこの前、どんな話をしたか、思い返す。

ウド・リンデンベルクとは、1946年生まれのドイツのロックスターで
もうとてもおじいちゃんなのだけれど、いつでもロックスターという感じ。

日本でいうと忌野清志郎さんみたいなものかな。

ハンブルクのホテル、アトランティックに住んでいるので有名。
芸術方面、絵画やイラストなどにも自分の作品をつくったりしている。

この運転手さんは、ウド・リンデンベルクがベルリンにくるときに
使う家にいって彼の作品の搬入・搬出作業をしたとか、

「やつのうちは○○○通りにあって(言っちゃっていいの?!覚えられなかったけれど。。。)、すごく大きな家でさ〜。そこに何々を運んだよ」とか。当時そんな話をしていた。

今回は、最近の仕事はダグラス・ゴードンだったよ。と話をしてくれました。
「やつのうちは○○○通りにあって(言っちゃっていいの?!今回も覚えられなかったけれど。。。)。すごく大きな家でさ、アトリエもちかくにあって、最近どこどこの家を買うつもりだって」とか。

「でも本当にもの静かな人で、紳士だよ。世界中いろんなところにで仕事しているから飛び回っているけれどね。」

ヘ〜。ダグラス・ゴードンがベルリンにいるとは知らなかった。

なるほどね。この運転手さんは美術運送専門だったのね。

またのお仕事の依頼の時はよろしくねと言われて、今回はさよなら。

この前は、手持ちがほんとうになくて、
チップを1ユーロぐらいしかあげれなくて、
「あなた、ケチね!」
とはっきりと言われたことをすごくはっきりと思い出して、
(普通、言うかと思いますがベルリン人ははっきり思ったこといいます。
おどろくべきことに)
今回はちょっと多めに入れさせていただきました。
気づいたかな、この運転手さんこの違い。

またお会いできて、ビックアーティスト運搬話を
聞かせていただくことを楽しみにしています。
  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(0)どいつも。