2009年03月24日

一つ星料理人 クリスチャン・ラハ

テレビのRTLが面白い!!

最近、ゴールデンタイムになると
テレビ番組に飛びついている私です。

素人さんがでてくる番組が最近多い中。

例えば、素人さんからアイドルを探す
ドイチュランドスーパースターとか
これもアメリカの影響もあると思うのだけれど、
知らない男女を一カ所に住ませるビックブラザーズとか
もあるのですが、

私がいつも気になるのは
その道のプロが出て来て、自分の力のみではできないような
改善をしてもらえるようなもの。

たとえば、もうぜんぜん手が出なかった部屋の改装をプロに全部任せるものとか、

どうしても溜まってしまった借金からどう出られるか、
具体的に専門家に指導してもらって一緒にこのあり地獄から
逃げ出せる道を探し出すとか。

または、もうどーしようもないうちの子供。
不毛な怒りを抱えるティーンエイジャーを
アリゾナの真ん中に連れて行って更生させるプログラムを取材したものなど。

素人さんが出て来て、とても現実味がある番組が造られている。

その中でも、すごいと思ってしまうのは
クリスチャン・ラハのラハ、レストランテスターという番組。
http://rtl-now.rtl.de/rdrt.php

自身もハンブルクにターフェルハウスというレストランを持ち、
ミシュランで一つ星をとったというシェフが登場。
http://www.tafelhaus-hamburg.de/

経済的に窮するドイツ国内のレストラン、オーナーからの助けて〜に答え、
どこをどう直していったらいいか、厳しい批評を重ねながらも
どうにか地域の皆様に喜ばれるようなレストラン作りを教えていくというもの。

今までの番組では
独自のビール醸造所をもつが、なんとも客の入りが悪いところ。

豪華な建前のレストランを2代目が継いだのだが、
その途端に今の客も昔の客も寄り付かなくなったところ。

コックとウエイトレスの連携があまりにもうまく行かず、
そのヒステリー感が客にまで響いているところ。など。

番組で今日ラハがいきますよ〜という日の
大体1日前に彼はレストランにやってきて、
さあ、料理を食べさせてもらおうか
というところからが始まる。

その前からラハのチェックが始っている。
お客がきたのに、誰も気づかないということも。
なんか変な匂いがしたり、
化粧気のない女将がでてきたり。。

ちょっと日本ではあり得ないですが。。

ほとんどのレストランはこの彼の早々の登場に戸惑い。
そしてその日一日にして普段の有様をさらけ出すことに。

ぜんぜん、おいしくない。
なにこれ。

と酷評し。

キッチンに、口に合わず全然食べられなかった
料理をもっていって、料理人にわざわざ見せる。
ちょ、ちょっと、いやな人ですけれど。

まずは事実を知る事が大事ということ。

あまりうまくいっていないレストランのほとんどは
キッチンの清潔感、素材の保存状態、整理整頓に問題がある。

全部捨てろー

というところから始るレストランも。

料理人は、一つ星のレストランのラハがくるというので、
料理の一つでも教えてくれるのかと思って期待を抱いているのだけれど、
実際にキッチンに立つ事は少なく、

きれいにしろ!
から始るので、料理人達はわけがわからず、
内部の鬱憤が溜まるばかりだ。

その上に
このメニューではお客さんがつかない、
どうしてだか考えて、新しいメニューを考えるように。

テーブルのデコレーションがいまいち。
タパスバーなら、もうここがスペインと思えるようにして。

ウィンナーカツレツをスペシャルにしたい?
ウィーンで食べた事ある?ないなら行きましょう。

私が料理を指揮するので、
本日はウェイトレスが料理室に入るように、料理人はテーブルを整えて。
役割を交換すれば、その人の気持ちがわかるでしょう。

とか。

なんとも酷評、叱責と驚く発案で

彼には1週間しか与えられていない。

ものすごいエネルギーで
そのいけていないレストランをブラッシュアップしていく。

料理とは、あげて、あげて、戻ってくるものがあまりにも少ないものだよ。

という彼。

彼の行為もその一つだ。

レストランテスターという題名であるが、
レストランを批評するばかりか、救っていくという
救世主という役割を持つ。

そういえばドイツの料理は、やはりフランス、イタリア、スペイン料理
からすると、どうもお株を取られがちだ。
北の国の料理とは違うものだという。
生活に潤いをもたらすためにというより、まずは寒さから身を守るためという
大義名分がある。だから当然南の国の料理とは違うものになっていくという。
それでも、美味なドイツ的な料理はつくれるという彼。

ドイツ料理の救世主ともいうことができるだろうか。

最近出版されたラハの料理本は
Kochgesetzbuch
料理法律本
と名のついている。



なんとも法国家ドイツらしい。。

なんかすごく厳しそう。けど愛があるような。

数学と哲学を学んで
料理にて学生時代食っていたというところから
料理の道に入ったというラハ。

大学での学問では職業につかなかったようだけれど、
彼の演繹的で思想家のような背景はこの時に培われたのでないでしょうか。  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(0)人間について。

2009年03月20日

ハンブルガーバーンホーフ現代美術館

おすすめ展覧会。



3月14日から5月17日まで開催の
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー展
the murder of crows カラスの惨殺というタイトルの
ミックストメディアサウンドインスタレーション



いつもはコレクションが設置されている
正面玄関ホールをつかっての大規模なインスタレーション
音響効果もばっちりで、音が空間を包み込む効果が抜群。




時にクラシックの、あるいはエレクトロニック系の音源が聞こえてくる中、
語り、歌がはいる3幕、30分ほどの構成。



英語の表現で
カラスの葬式というのがあるそうですが、
一羽のカラスが亡くなるとカラスが集って来て
その周りを哀悼を示すために飛び交うという表現があるそうです。
このことと、フランシスコ・デ・ゴヤの銅版画集「ロス・カプリチョス」
の幻想や夢想に襲われる人々が下敷きになっているということ

3部構成の物語は、ホールの真ん中にある
スピーカーから聞こえてくるジャネットの声で
それは悪夢を語るような調子で始ります。

実際、夢の話で、自分がある工場地帯にいることに気づきます。
偶然そこで会った若者たちがペアでくさりにつながれて
行列であらわれているのが見え
その中の一人が自分の腐った足をみて、自由にしてくれというので、
自由にする。つまり、片足を切ってしまうのですが、
次には自分の片足がなくなっているというのに気づきます。
爆弾で失ったというのが最後のオチなのですが、
サウンドがやはりすばらしく、聞き入ってしまいます。



ちょうどゴヤが「ロス・カプリチョス」で表したような、
暴君や無政府主義、不合理な恐怖に対しての現代的表現であるかなと。



観客の中で自由におどり始める方も。。
  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(0) ベルリンアートシーン

2009年03月13日

まいにちドイツ語




してくださ〜い。

1年間の掲載になりますが、
NHKラジオ講座の冊子に、
ベルリンのアートシーンについて
記事を書かせていただくことになりました。

ドイツ語習得人口が増える事を祈りつつ。

http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&textCategoryCode=09109

私はこれで始めました。

その当時、ちょうどベルリンの記事がのっていて
ジャーナリストの浦江由美子さんの記事をよみつつ、
へーそんなところかと興奮していたのがよみがえります。

今では彼女に公私共々見守られつつ。。

3月18日発売です!
  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(5) ベルリンアートシーン

2009年03月03日

久々にヤンが。

久々にヤンから連絡。

中国女である。

北京とベルリンに事務所をもち、
半年ごとぐらいに行ったり来たりしている。

部屋を買ったと噂にきいていたのだけれど、
3月2日。
引越を昨日したので家においでと誘われた。

以外と物がない人である。家には。

あとの荷物は北京にコンテナで送ったと。

じゃぁ。北京に本拠地があるっていう意味?
じゃーなんで部屋なんかベルリンに買ったの?

と問うと

実際に荷物が北京にあると思うと、ベルリンは常に旅の途中、仮の宿と思うことができるの、
だからずっと気が楽になったわ。仕事にも集中できるの。
と言う。

文化大革命で両親が追われてドイツにやってきたのだから、
好き好んでドイツに来たわけではなかった彼女。

ドイツに来た当初は、
いじめを受けたりしていたそうだ。
だから楽しい思い出はあまりなかったに違いない。

ドイツの大学を卒業して、ニューヨークにいったりしたけれど、
正直に思った事を言う彼女のキャラクターは完全にドイツ的になっていると思う。

北京が故郷のように今は言うけれども、
あんまり言いたい事がいえないのよ。それも辛いとも言う。

昨日はストレスで鼻血がとまらなくなったの。
とも言っていた。

彼女のことだから、一人で大きなプロジェクトを抱えているに違いない。

雇っている人はいない。
人を雇っていると自分が定時に来ないといけないのがいやなの。
とも言っていた。

自分がいかにモバイルであるか
時にはそれはすごくストレスになっているけれども、
それが刺激的でいいのとも。

去年に彼氏ができて、それもすったもんだの略奪っぽいことだったけれども
改めて彼の写真とか見せてもらったら、二人とも幸せそうで
彼はビンボーだというけれど、少なくとも彼女の精神的な状態はよくなったようだ。

彼は、代々伝わる京劇の家系だという、ただ、今は京劇の仕事は少なくなっているので
それを継ぐ意志がないのだとか。他の職業についた。

ちょうどお遊びだけれど京劇の化粧をしている姿があって、それは様になっていた。
幼少のころから訓練があったというから、体が覚えているのである。
今は役者だけでは食っていけないので、だれも跡を継ぐ考えはないという。

ちょと残念。
特に猿役がすごくぴったりしていた。

彼らが旅行した旅先での出来事をとった写真を見せてもらったのだが、
その中に中国庭園を写したものがあった。

立派な木の囲い塀があり、
塀のところどころに窓とはいかないけれども
細かく彫って装飾された大きめの円形の枠があった。

日本の庭園は庭園の中にある木が植物さえ整備する傾向があるけれども、
中国のはワイルドね。植物はそのまま、のびたらのびっぱなしでいいの。
と。

そういえば、木々がのびのびしている。

また夕方公園での風景。
老人達が集っている。

ここでね。毎日老人達が集って来て歌をうたったり
踊ったり。まるで子供のようね。

子供のときのように公園にあつまってくるのよ。
老人になったら。

日本にもそういう習慣ある?

日本には、どうだろう。

明日朝、飛行機にのらなきゃというので、
本日はそろそろ失礼する。











  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(0)人間について。