2009年12月29日

Kちゃん。

今年最大の恵みは、何と言っても人との出会いだった。
世界陸上しかり、モスクワしかり。

モスクワで出会った通訳のKちゃんは
私と同じ年ぐらいで、私よりもべらべらに日本語をしゃべっていた。
大学時代日本にいたという。

Kちゃんはものすごく出来た人で、
頭もいいが、努力のたまものでここまで
やってきた感じだ。
それにしても私たちが基本的なロシアのことについて
あるいは何回も念をおすように言われた待ち合わせ時間や
その日のスケジュールについても
忘れるごとに質問をするのにぜんぜん嫌な顔をせず、話をしてくれる。

彼女は敬虔なロシア正教の信者で
特に美術館の中にあったイコンを前にしたときや
教会の中に入って図像を説明する時には特に熱がこもっていた。

イコンのキリスト像の首がいつもまっすぐでなくて
右か左に曲がっているのは、周りにつねにつく天使たちと
和を結ぶためだそうである。天使たちの首も同じ方向に
曲がっており、皆が輪をつくって和となすよう。

とか、結構くだらない質問にもまじめに答えてくれた。

ある時レストランでKちゃんがなんでそんなに敬虔な信者なのか分かった。
私と同じぐらいなのに8年間も不二の病と戦っていたというのだ。
彼女は治らないと思っていても神さまにお願いつづけたという。
それに本格的に修道院に通い、心身共に浄めたということである。

ロシアの北の方に修道院だけがある島があるといっていて、
そこにガイドをしながら長期滞在したといっていた。

それでその病が治った!
というのだから神さまに感謝の意を表しても足りないぐらいだという。

そんなKちゃんが、美術館でイコンを目の前にして教会の話をしていた時、
なんかの拍子で、
他人を批判してはいけません。といったの。

なんかその人には訳があるのだから、私たちには見えない訳があるのだから。
他人を批判することなどできないと。

たぶん彼女の私たちに対する謙虚な態度は
こんな信念から来ていたのではないかと
思ったのです。

おそらくKちゃんが訪れただろう
ソロヴェツキイ諸島 の画像をみつけました。
http://ruvr.ru/files/Flash/multi09/september/Solovki_dlya_vseh1.swf

  

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2009年12月28日

地下鉄にて。

地下鉄にのっていたら
よくあることなのだけれどホームレスの人が乗ってきたの。

彼らは市の社会奉仕課みたいなところが発行する
1ユーロちょっとするホームレス新聞を売り歩いて
生活の足しにするというもの。

たまに、ホームレス新聞も手に入らず、生活の糧がないから
飲みも食いもしていないので、食べ物や飲み物をください。
という訴えがよくある。

おじさんは、やはりその時、
新聞も手にしておず、食べ物が手に入らない状態なので
なんでもいいので口に入るものがあったら、
どうにか恵んでくれないかとうったえていた。

そっと座席に座っていた女の人が親切心をくすぐられ
リンゴを1つ差し出したのだけれど。

すぐさま
5個ね。
って彼がいったの。。。

すごい。ベルリン。
ドイツでは主張しないといろいろな物事が目の前を通り過ぎて行くのだけれど、
そんな主張も通るなんて!

私は頭を振るばかりだよ。

まあ、彼女はすぐに手とリンゴをひっこめていたけれども。
  

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2009年12月24日

サンタが!

昨日、サンタがパーティにきました!
ほほほーって、リンリン鈴をならしながら。


お前達いい子にしてたか?とか言ってきたり、
詩を詠め!などメタぶりをしたサンタ。

プレゼントはいい子にしてなかったので、
IKEAの鉛筆だ!といって袋からすごい撒いて帰って行った
サンタさん。。。

ホストの心遣い!  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(2)人間について。

2009年12月23日

ドイツ語ラジオ講座1月号

ドイツ語ラジオ講座1月号
が発売になりました。


ベルリンの美術館付属カフェについての記事が掲載されています。
こちらもどうぞお楽しみに!
  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(0) ベルリンアートシーン

2009年12月22日

ポットキャスト、ウラニワサウンズベルリン出演

12月22日に収録があった
ポットキャスト、ウラニワサウンズベルリン
に出演いたしました。

http://uraniwasounds-berlin.com/
このサイトの右からポットキャストのアイコンがあるので
これをiTunesの中に移動していただいたら、自動的に取込まれる事に、

ナビゲータは
羽生和仁さん、宮崎シンタローくん

ベルリンのカルチャー系雑誌を扱う書店につとめる
渡部明子さんと4人のトークです。

2009年のこと、ロシア話など盛り込まれています。
お楽しみに〜!
  

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2009年12月21日

モスクワより。

12月始め
山本さんの展覧会のためモスクワ入りです。

3年間からモスクワで現代写真専門のギャラリーを始めたという
ポベダギャラリー、オーナーのニナさんはロシア美人です。

以前はワイン工場跡でギャラリー空間をもっていたというポベダギャラリー、
今回は引越をしてチョコレート工場跡に移り、そのこけら落としに山本昌男展
を招待いただいたというもの。


チョコレート工場跡といってもまだ動いているところもあり、
警備はきびしく、前もって許可をもらってないと入れない事に。


オープニングはギャラリーからの招待客のみ。
カメラクルーやカメラマンも入っていました。


うってかわって次の日のレクチャーでは、学生さん風の方がいっぱい。
30分のレクチャーと30分の質疑応答。通訳の方がものすごくよく対応していただいて
質疑応答がおわっても質問攻めに。


チョコレート工場跡への玄関からみたモスクワ川。と左にある船と巨人像の彫刻。


モスクワで絶対見ておきたい美術館はプーシキン美術館とトレチャコフ美術館です。
プーシキン美術館は13世紀から現代にいたる膨大な西洋美術絵画をコレクションを所蔵。
トレチャコフ美術館にはロシア美術がぎゅうぎゅうにつまっていました。写真はトレチャコフ美術館。


初日にまずビックリしたのは車の多かったこと。
国際空港から市内まで電車で40分と案内にあり、車が迎えにくるというので
私たちは車で移動。それが、降り始めた雪のためか、スリップ事故なども多く、
市内まで2時間半近くかかることに。。

そういえば、途中でも事故っている車がちらほら。
しかも、市内では車のボディーを突っ込ませてごり押しで道路を横断しなければならないことも。
さすが、運転手さんの腕は、かすり傷もさせない技でした。

 
すばらしい!!地下鉄構内の豪華さ。!!どこの地下鉄もあるていどこのようになっているらしいです。
エスカレータがものすごく下にのびていて戦時中は防空壕の役割を果たしたとか。

 
クレムリン近くの教会。いつも前には写真を撮っている人が。
写真にはないのですが、武器庫はまた一見の価値ありです!

 
赤の広場と左グム百貨店。ちょうどクリスマスのお買い物時期。


オーナーのニナさんはグルジア人の血を引く方。
グルジア料理を最後にごちそうになりました。ウォッカをのめやのめやと。
なにかにつけて乾杯の音頭をとられます。それでグラスをあけることに。そしてまた注がれ。
その繰り返しです。


こちらはロシアの田舎料理屋さんのデザート。マシュマロにチョコレートがかかった
ようなお菓子はソ連時代には並んでまでしても買いにいったものだったとか。
右は人参のジャム。ロシアンティーというのは本当は紅茶にジャムをいれるのではなく
ジャムを食べながらお茶するということらしいです。スプーンですくってそのまま口に。


最後はスーパーなのですが、19世紀に建てられた建物だそう。

建物や美術に関してはロシア帝国の財産というものがひしひしと伝わってくるものでした。

人々の対応などについては、ホテルのフロント係をみているとなんとなく
今のロシア人像が感じられます。
4つ星ホテルだったのですが、少々のことでも上の判断を仰いでいる姿がありました。
一見、仕事上のことなのに不確実で自信がないような様子なのですが、
そうではなくて、自分が全体の仕事の中のどの部分をうけもって、全体にどんな影響を
与えているかという把握とその意識が薄くて、あまりにも自信なさげな対応をするのではないかと。

ドイツ、多くは西側のドイツ人からよく耳にする言葉ですが、Selbstbewusst sein
という言葉があります。
自意識をもっている。とかそういう意味なのですが、
つまり、自分が今なにをやっていて、何を目標にしていて、なにをやっていきたいか
ということがわかっていること。

そんなのがドイツ人とくらべたらロシアの一般の人たちには
少ないのではないかと思いました。
もしかしたら、自意識というのは資本主義からやってきたものかもしれません。
  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(2)人間について。

2009年12月11日

モスクワ・ポベダギャラリー

モスクワに出張です。
写真専門ギャラリー、ポベダギャラリーの
新しいギャラリー空間オープンのこけら落としに
山本昌男展が開かれました。
ここは昔チョコレート工場だったところです。
http://pobedagallery.com/







まだ暖かいというー7度の夜に行われたオープニングでした。
展示は12月11日から1月31日まで

初めてのモスクワで、こんな機会がなかったら
こなかったことだったと思います。感謝感謝。
モスクワの建築がすごい。ロシア帝国の面影と
冷戦時代の2大勢力だった形があります。

またこの辺りは報告しますね。  

Posted by Eri Kawamura at 00:00Comments(2)Yamamoto Masao