2007年04月11日

うーん。うなりました。

最近ね、はまっていて申し訳ないのだけれど
これもまた河合隼雄さんの著書から
「神話と日本人の心」

普段は人を分析しているだろうが、
ここでは神話を分析することによって、日本人の心のあり方全体を分析しようと試みている。

以下、感銘をうけた最後の章のメッセージ。
要約します。

その中で、日本は中空均衡構造であるという論を展開し、
近代国家は、西洋の中心統合形のモデルによって発展してきたと言っていいだろうという。

日本の中空均衡構造は、他からいろいろなことを取り入れ、
様々なものからバランスをとりつつ、中心はないという構造である。

これは追いつけ追い越せでやっているうちはよかったが、
自ら経済大国というトップの座を走ることになったとき、どーしていいかわからなくなった。

これから、グローバリゼーションの波の中、
中央統合構造の代表である西欧諸国の人々と対等につきあってゆくためにどうしたらよいか。

中空均衡と中心統合とそれはまったくお互いに相容れない構造であるが、
破壊を免れたいのであればどうにか共存をはかっていかなければならない。

破壊を免れたいのでれば
というのは、前世紀で偉大なるテーマであった、
資本主義と社会主義の中で、社会主義が崩壊したことを考えれば
これはあきらかであると。

社会主義は資本主義の一切を否定したのにくらべ、
資本主義は実は相当な社会主義的な要素を取り入れていたのである。

だから、資本主義はその内容がいい、悪いいかんせず、その崩壊をまぬがれた。

こういった事例をみると明らかなように、
破壊を免れるためには、一方の構造に従って生きる生き方をベースにするのであろうが、
他を含めて全体状況をみていかなければならない。

全体をみつつ、適切な生き方をする。
それにはある時、選択の必要性を迫るものだが、
どうして、その選択にしたのか、説明をするできるものでなければ
ならないであろうし、それは選択に伴う責任の自覚である。

しかし、一方を選ぶにしても他方の配慮を忘れてはならない。
それは、自分が選択しなかった他方の可能性に対する敬意である。

こういうことはとても困難なことであるが、
しっかりとした判断力、表現力、責任感を身につけた「個人」として自分を確立していけば
できることではないか。

ただし、これは表面的に取り入れられた「コジンシュギ」ではなく
社会性も責任感も身につけている「個人主義」ではなくてはならない。

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Posted by Eri Kawamura at 00:00 │Comments(0)人間について。

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