2019年10月11日

Havelhöhe ハーベルホーフェの産院で 4 

20時ごろもう一度検査をすると
かなり子宮口が開いて来たというので、陣痛を促進するために
お風呂に入るか、それとも無痛分娩用の麻酔薬を打ち始めるかという
打診があった。

麻酔薬投与に向けては麻酔に関する注意事項を読み
それらを了承しているという書面にサインが必要で、
すでにそれにはサインしていていつでも取り出せるように携帯していた。

自然分娩を希望していたが、自分がどうなるかわからなかったので、
いざという時にもってはいたものだ。

あとで無痛分娩用の麻酔もできるということを聞き、

私はその時にお風呂に入りますということを宣言して
分娩室内にあるお風呂に案内された。

お風呂にはヴェレダの入浴剤も用意されていて、
どうぞお好きなようにという感じでずらっと並んでいた。

温まって循環も良くなったのか、かなり痛くなって来た。
陣痛の間隔も早まって来る。

トイレに行ったら破水が起こって、そのまま分娩台に直行。。
破水が契機になりものすごーく痛くなった。

この時点で到底無理だと思われたので、
「今から無痛分娩お願いします。」
と言ってみたけれど。

「もうこの状態じゃぁ。無理。普通に産むしかない。」

と一掃され、

えー。さっきはあとでも出来るって言ったのに、このままいくんですかー

致し方ない。。このままやるしかない。。

もう今までにしたことない叫びが出たりして、(ぎゃーとか)
最後の最後は痛みのその中でどう力を入れればいいかわからなかった。。

来る波ごとの痛さに耐えてるのに精一杯になってくると、
先生たちがドタバタし始めた。

出産には助産師さんの他に医師が少なくとも1人がつく。
ここでは医師の判断のもと全てが行われる。
たとえ、自然分娩を推奨する助産師さんだとはいえ医師の指示には反せない。

吸引機が装着され、(これが出産時の次に痛かった。)
さらに先生は電話をしたり慌ただしそうにしていた。
私は状況がわからず、周りがわさわさし始めたのを感じた。

助産師さんが私の手を握り、
「河村さん、こちらを向いてください。目をはっきり向けて!」

と彼女が真剣な目で私に訴えかけた。

「次の陣痛の時に子供が出てこないと、帝王切開になります。
しかしこの病院に備わっている手術室2つはふさがっています。
これ(この状況)分かりますね!次が最後ですよ!!私の目をしっかり見てください!!」

最初この助産師さんに会った時には素晴らしい端正な天使のようだと思ったが、
今は恐ろしい般若である。

彼女の目をしっかり見てものすごい痛い中さらに痛みの中に入っていくようにした。

吸引の力もあり、彼女は生まれた。

烈火のごとく泣いていた。赤い。本当に赤ちゃん。

ギリギリの人生だ。

そのあと、子供は私の胸に置かれて、「家族の時間を。」と言われ、
それから医者も助産師さん、看護師さんもサァーっと引くように出ていった。

家族の時間というか30分以上ほっとかれたかもしれない、
他の出産でこの夜は人手が足りなそうだった。

その後、担当の助産師さんが現れて、
「よくやりましたね。おめでとうございます。」
とお祝いの言葉を述べてくれた。

子供の体重や身長を最初に担当したのも彼女だった。

彼女の名前を聞かなかった。聞くのを忘れて後悔していると
後でもらった母子手帳に取り上げてくれた担当医師と担当助産師の名前が書いてあった。

あの助産師さんがいなかったら、さらに大変な出産だったと思う。
彼女無しでは乗り越えられなかっただろう。
人道的に対応していただいてとってもとっても感謝している。

あの天使と般若の顔は忘れ得ない。


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