2008年1月9日から13日まで
ベルリン、プレンツラワーベルク区のジェネラルパブリックという
オルタナティブスペースで展示を企画いたしました!
http://www.generalpublic.de/current/events/article/134/19.html
"2 x Three Beauties - The Charites"
古来から「美」というものは芸術家の探求でもありましたし、芸術家を援助するパトロンの願いでも、それを見るものの興味でもありました。「美」と一言といっても、それがどのような「美」であるか正確には言いがたいものがあります。「美」とは、視覚的に快適さを与える感覚的な「美」であったり、時代精神やその地域が要求する社会的「美」であったり、またはパーソナリティやジェンダーが判断する感性的「美」があると思われます。
"2 x Three Beauties - The Charites"と名付けられた展示は 、二人のキュレータが3つの「美」を集めることで成り立ちます。「3つの美」とは、カリス「三美神」のことをも指しています。これらの美しい女神は、それぞれ愛(amor)、慎み(castitas)、美(pulchritude)を司どり、古代ローマ神話において様々な解釈をされています。私たちの展示では、古代ローマの政治家であり、思想家であり詩人であったセネカによる「三美神」の解釈からを元にして展示コンセプト(もともとこの考えはセネカ以前にあったようですが、書物として残っていないようです)を立ちあげました。
セネカは「恩恵施与論」の中で、恩恵について論じている項目があります。
以下
恩恵を与えたり、それを受け取ったり、恩返しをしたりする行為は、「優美さ」をともなっていなければならない。恩恵の三行為を三美神とあわせている。与える行為、受ける行為、礼を返す行為。恩恵のこの3つの行為はおたがいに綿密な関係にあり、しかも、恩恵を受けるのも、礼を返すのも手によっておこなわれるから、三美神は3人の姉妹でおたがいに手をつなぎ合って輪になっているかたちであらわされるという。三人の姉妹のうちのひとりは恩恵を与え、他の一人は受け取り、三番目は喜びを与えるからである。これら3つの段階は、いずれも完全の恵みのあらわれというべきである。
…..
ある人びとの意見では、ひとりは恩恵を与える者であり、他のひとりはそれを受け取るものであり、三番目はそれを返す者であるという。。。。。この伝達の流れがどこかで途切れると、全体の美しさは、壊されてしまう。
さて、セネカのいう、美しさとは何でしょうか。それは、恩恵という至福の巡回について語っています。与え、受け取り、感謝を表す(あるいはそれを返す)という行為が途切れる事なく流れつづけるならば、そこに美しさ、さらには優美さが現われるというのです。
この至福の回路を流すためには、当然のことながら誰かが最初に与える必要があります。感性、知性、理性の美などとさまざまな美がある昨今の芸術で、それができるだろうか。このような古代ローマの美にまつわる挑戦をアーティスト、キュレータがそれぞれに持ち、展覧会を構成していけたらと思っております。
コンサートなどイベントも用意しております。
お楽しみに。
この記事へのコメント
どんな展示になるんだろう。
見にいきたいなあ。
でもベルリンに住んでない僕がどうやって?
じゃ考えてみますヨ!
ポック ポック ポック…
追伸:
実際に見に行くことはできないと思いますが、
とっても意義のあるテーマだと思います。
少しでも多くの人がその展示を目の当たりにし、
何かを思ってくれますように。
ひっさびさー!コメントをありがとうございます!!
展示期間が好評に付き、早めからの開催となりました。
(手違いという噂もありますが。。)
1月5日 19時がオープニングとなります。
お越しをお待ちしております。
元気?
ハ!手違いなんて黙ってりゃ分かんないヨ!
でもいい展示になりそうな予感がする。
どんな反応が返ってきたか教えてくださいね。
いや、教えなくてもいい。
でも絶対いい展示になる。
ちなみにぼのぼのさん気付いた?
僕タイプミスした。
Kazuanri(カズアンリ)って。
誰だそいつ。
楽しいクリスマス、新年をお迎えくださいナ!
ははー。
いろいろ、間違いがございましてぇ。
大変ごめーわくをかけております。
さて、質問。今回はなんでしょう。
最近ジュージツしておりますよ。
師走なんてなんのその。走るのもいいものですよね。