本当に思うのだけれど、
タクシードライバーと理髪師さんって
人の人生のこといろいろ聞ける、あるいは聞く職業だと
思う。
だからこそ、タクシードライバーっていう映画や
理髪師の映画があるのがすごくわかる。
先日、タクシーに乗った時に
やっぱここ、ベルリンだなと思ったことが。
その時は、私(お客)がタクシーの運転手さんの
人生についてふんふん聞いていたのだけれど。。
ちょうど、サッカーのヨーロッパ選手権中で、
よーく日に焼けた小柄な人だったし、イタリアの国旗色のストラップを
車中に飾ってたから、イタリア人かなと思った。
イタリア強いですね。
なんて話をしはじめたら、
そうじゃなくて彼はイラン人だった。
今はタクシーの運転手しているけれど、昔は雇われて
食品の品質管理検査をする人だったとか。
化学調味料がどのくらい含まれているか検査する人だったらしい。
工場に雇われていたけれど、今では工場も労働力が安い東欧などに
移っていて、職を失ったとか。
イランから国費で留学していたというから
とても優秀な人だったに違いない。それでも
ジャード政権になってから、途端に政府の態度がかわり
彼は国からの援助を受けられなくなったと。
どうして?
と尋ねる私に。
イスラム教徒じゃないから。
という答えが返って来た。
両親や祖先もイスラム教じゃなかったの?
と尋ねると、
彼はベルリンにきてから、そのオープンな気質に触れて無宗教となったという。
今のイランでは人権を無視したイスラム教化が進んでいるという。
ジャード政権前は、女性は頭に布をかぶることなんてなかったよ。
みんな、顔がみえてたよ。政権が変わったとたんに
急に布をかぶることが規制されて、今ではそれに反するとひどいことになるよ。
だから、無宗教の彼がいれる場所が祖国にないのだとか。
ドイツ人と結婚されて、一人息子がいるけれど、
家族にたいする思いなどが違いすぎて、離婚されたとか。
彼の生きてきた人生をドライブの時間20分少々語ってくれた。
こういうのは自由ならではのベルリンできける話だとも思った。
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