ベルリンのストリートフェスティバル
カーニバル デア クルトァ。
多国籍の特徴あるベルリンの気質を生かして
様々な文化のお国自慢をカーニバルで表現するもの。
そのカーニバルが通る通りの
左右にはそれぞれのお国自慢を象徴する屋台が並ぶ。
ブラジルのライムの甘いカクテル、カイピリーニャを売るお店。
アフリカの子供達を救うために、太鼓と踊りで募金を募る団体。
チュニジアから来たというターバンをまいた香料売り。
タイのタイマッサージ。などなど。
そ、その中に、
サーカス用のビニールテントをすごく小さくしたようなものが。
隣はバーで黒髪でちょっと浅黒くふくよかな人たちが時々踊っており、
テントの前には
クレヨンで描いた女の人の絵と、Wahrsagerinの文字。
真実をいう人の意味で、占い師のこと。
そんな看板しかなく、中をのぞくとおばあさんが座っている。
今までこのWahrsagerinという言葉は知っていたけれども
こんなところで本物に出会うなんて!
テントは簡易で、本当にここでうらなうの?という疑惑が走り、
だからこそ怪しい感じはこの安っぽい感じでさらに増大。
ちょっと、どういう人がはいるか
影でみていたけれど、なんか神妙に話している感じがして
私も勇気をもってはいることにした。
彼女はママ・ブルーメン。
ママ・フラワーというのだそうだ。
あとで、やっぱり騙されているかと思い
調べてみると、ハンブルクで有名な占い師さんらしい。
81歳。
だから、第二次世界大戦の時には強制収容所に収容され、
生き残った一人だ。彼女はユダヤ人ではなく、
ポーランド系のジプシー。
母親から代々続く占いの方法を彼女は身につけている。
方法は絵のついたカード50枚ぐらいの中から
本人が7枚引くというものだ。
そのカードを表にしながら、
その絵の意味と占い師が本人を見たときの
印象を繋げて語る。
語るといっても1枚につき1文ぐらいで
7枚のカードだから7文。
ママ・フラワーは
7つの外国語がしゃべれるらしいが、
文盲だという。
こういうのがジプシーの伝統。
ジプシーにもいろいろなタイプがあるようだけれど、
この一族は彼らの伝統、というか、踊りや歌、占いなど
芸事を一族で守り抜いているようだ。
考えてみれば、強制収容所で生活した彼女は
ドイツ人への憎い思い出があるのだろうが、
その後は占いで、ドイツ人の人生の方向づけを
占いでアドバイスしてきた人だろう。
私のことは、




といわれた。
今日は金曜日、夜もふけり
周りは踊りや音楽で最高潮に達した頃。
このテント内だけが静けさを保っていた。