昨年の後半は自宅待機が多く、
警備の人や管理人のようにテレビをみることもわりと多かった。
RTLという番組があるのだけれど、
そこで好きなのは「ラハ、レストランテスター」というもの。
以前にもご紹介したのでご存知の方もいるかと。
ミュランの一つ星をとったハンブルクのコックさんが
いけてないレストランを1週間で客が入るレストランに仕立てていくというもの。
そのシリーズが今年の後半に何本かあった。
まず彼がその店のおすすめといわれるものを試食して
まずい、これでは客がこないといってその原因をつきとめていくのだけれど、
以前のシリーズではキッチンの整理整頓がなっておらず、
また掃除もいきとどいてなくてとてもきたなかったり、
時間短縮や経費削減のため、新鮮な食材を出さずに
冷凍食品ものや缶詰めものを出していたり、
コックさんが料理をホビーとしてしか考えてなかったり、
レストランのオーナーが若くみんなになめられていて統制力なかったり、
スペイン料理店というのに、スペイン風の料理はでてこないわ、
内装は太陽の明るさが感じられないようなものやら、というものだった。
割とミシュランのシェフに言わせなくてもいいような
基本的な“おや”というものが多かった。
それをラハさんはすごい情熱でみなを説得したり、
働いている人にもお客さんにも受けられるようにインテリアを変えたりする。
料理がうまいっていわせられるのは、
料理の腕も大事だけれど、キッチンの清潔感とクルーのチームワーク、
料理に合わせた店の雰囲気の3つできまる。
ということが前回までの30回を見ると分かる。
毎回のようにキッチンが汚い!で始まっていた。
去年の新しいシリーズでは
もうすこし違った局面がでてきた。
親子2代で働いているところは、主導権が親から子へ移る時期であって
親の代の経営方針とお客さんの趣向があわなくなってきていて、
客足がとだえてきているのを見抜き、息子の料理の腕の才能を認め
家族ではお互いに遠慮してか真っ向に話し合えなかった世代交代のテーマを
ミシュランシェフが促していくというもの。
腕はいいが、客がこないという田舎のレストランのシェフの問題は、
彼のプライベートにあった。離婚して、再婚し、再婚した奥さんに
先立たれたのだ。しかも離婚した前妻は隣に住んでいる。
彼は他界した奥さんのことを悲嘆にくれて、モチベーションがあがらずにいたのだ。
しかも前妻とは常にケンケンガクガクの喧嘩。これでは気持ちが安定しないと
察したミシュランシェフは前妻と和解を提案し、
また亡き妻への悲しみにくれるのではなく新たな世界を見ていこうというもの。
友人と始めたレストラン経営だったが、
借金をして始めたものの、それが膨らむばかり。
そういった経済的な不安を取り除こうと役所にかけあったりと
ミシュランシェフはほとんど料理のアドバイスはしてない。
ほとんど関係調整係。
周りの気持ちが気持ちが一つになってるかどうか、
安心して料理が作れる環境かどうかが、
おいしいか、おいしくないか、
ゆくゆくはお客がはいる、入らないの分かれ目であると
このシリーズで、ラハさんは示しているように思えた。
その他にRTLで好きな
コーチシリーズとして
実際に借金地獄から脱出を試みるために、
政府関係からも認められているアドバイザーにコーチをしてもらう
「借金からのがれるには」とか
子育てに関して悲鳴をあげている親に
教育アドバイザーのカティアさんがお宅訪問
「スーパーナニー」という番組。
借金地獄からのがれるためには、
今自分がどれだけ借金をしていて、収入がいくらあるかという
あまり知りたくない事実をまず明らかにすることが
重要のよう。結構みんなくさいものには蓋で、ほっておいたものを
見せられて自分たちがまず驚き、カメラの前であわてる。
スーパーナニーの方は、
どうもうちの子が悪いので直してほしいという要望で
各家庭を訪問するカティアさんだが、ヒステリックになるお母さんをなだめ、
結局は子供の世界と大人の世界が違い、
大人の世界では受け取れない信号が子供達にあるとして、
親達にそのメッセージとの付き合いを教えていく。
それから大人の時間と子供の時間をきっちりわけることを教える。
これなんかしつけや親子関係の話がびっしり出ていていつもドラマ。
彼女は既にドイツの家庭100件以上訪ねている。
いつも落ち着き、冷静に分析をして、思考し、対策を練る。
まっすぐの長い黒髪の彼女の姿がいつも天使に見えてくる。
こういう番組が日本で放送されていたらな〜
と思う次第です。
ドラマ仕立てより白熱。